いけすのハコフグと「100日後に食われるブタ」

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前置きの話:ヤマッシとハコフグ

ヤマッシは寿司屋で働いていた。

寿司屋には生け簀(いけす)があった。

普段はタイやアジを泳がせておいて、注文が入ったら網ですくい、さばいてお客さんに出す。

ヤマッシは生け簀が嫌いである。

生け簀を掃除するのはいつもヤマッシの仕事だった。

生け簀は生臭い磯のにおい。

水は冷たい。

水中に設置したライトアップのための照明が漏電していて、

水に手を突っ込むとビリビリする。

ビリビリっていうか普通に痛い。

痛いのを我慢して水槽を洗う。

寿司屋の仕事はしんどい。

拘束時間が14時間。

立ち仕事。

休憩は45分のみ。

加えてヤマッシだけ感電している。

生け簀を掃除するときとてもイライラした。

「生け簀が漏電してます」と報告すると、「気合で我慢しろ!」と言われました。

そんなある日の朝、生け簀にハコフグがきた。

生け簀にハコフグが入っているのを初めて見た。

普段はタイとアジがいる。

たまにシマアジ、ウマズラハギがいるときがある。

ハコフグって寿司になるんだ?

珍しい魚をしばらくぼんやり見ていた。

ハコフグは本当に箱の形をしている。

これはどうやってさばくのだろう?

形が他の魚と違うから気になった。

ヤマッシはハコフグの注文が入るのを待った。

しかしハコフグはなかなか売れなかった。

変わり種にチャレンジしようとするお客は、実は少ない。

売れないままに4日たった。

ガラスの外からちょんちょんと指でつつく。

寄ってくるハコフグ。

「かわいい」

「あいつ何喰うんだろう」

ヤマッシは思った。

多分他の従業員も同じことを思っていたはず。

「あんま懐かせんな。殺せなくなるぞ」

と注意されている奴もいた。

そしてみんな思った。

(一体誰がさばくんだ?)

ハコフグはみんなからうっすら愛着をもたれた。

その後もハコフグは売れずにずっと生け簀を泳いでいた。

もう一週間は何も食ってないんだよなあの魚とふと思った。

前にタイが売れ残ってずっといたとき、ヤマッシは小さい甘エビをあげた。

エビでタイを釣るということわざを思い出したからだ。

でもタイは甘エビを食べなかった。

ハコフグにエサをあげようかなとちょっと思った。

でもえさはやらなかった。

どうか自分の時に注文来ないでくれと思った。

さばき方わからないという以上に、

ニンンゲンが来るとガラスに近寄ってくるハコフグを〆るのはしのびなかった。

でもそんな心配はすぐになくなった。

休み明けに生け簀を見るとハコフグはいなくなっていた。

(あ、売れたんだ。)

ヤマッシは安堵した。

ヤマッシが休んでいる間に売れたんだね。

誰がさばいたとかはもうどうでもよかった。

そしてハコフグのことは忘れた。

ヤマッシは日常に戻った。

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本題:100日目に食われるブタ

何の話だって感じですが、話はかわってこれから100日目に食われるブタを見たという話をします。

感想はシンプルに吐きそうになりました!

どんな動画だったか雑に言うと、

「99日間ペットとして飼ったミニブタを100日目にお肉屋さんに持って行き食肉として処理してもらった後、家で丸焼きにして食べた」

という話でした。

ペットとして愛でている(ようにみえる)ミニブタの映像のすぐあとに、

食材として切れ込みを入れられてるのを見て、

脳の情報処理が追い付かなくなる感じがしました。

特に焼く前に飾り包丁するところ、

丸焼きの首を切り離すところ、

食い散らかされた頭蓋骨のシーンが一番キツかったです。

【閲覧注意】210万回再生された100日目に食われるブタ【100日目】

あなたが食べている豚肉もカルビも同じ命です

これが作者の主張なのでしょうか。

ヴィーガンと同じことを言ってますね。

「あなたが食べている豚肉もカルビ(このミニブタの名前。動画内では”カル様”とも)も同じ命」 なのか。

例えとして適切かわかりませんが、

じゃあ人間もクソも主成分が水分(60%)で、

OとNを含む炭化水素系化合物の混合物で同じだから、

人間も死んだらトイレに流すね!

君の持っている札束と僕が持っているエリエールも同じ紙だから、交換しようよ!

と言っても過言ではないというのでしょうか。

個人的な意見としては、

「あなたが食べている豚肉もカルビも同じ命」

はこのレベルの屁理屈と同じだと思いました。

人間は想像力があるので、

外見が同じようでも抽象的な概念を付加して区別することができます。

紙の束にお金の概念を持たせて価値を感じ、

ケツを拭く紙と区別することができるのが人間だと思います。

「食べるために飼育している動物」と「ペット」とでは明確に違うのです。

子牛のハナベエ日記を二回くらい読めば小学生でも理解できると思います。

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食育コンテンツなのか?

食育とはなにかと言うと私は、

食べるために飼育した動物への情を断ち切る訓練

だと思っています。

「食べるために飼育している」とわかっていても、

自然に情は移ります。

しかし、家畜(生け簀の魚)である以上いつかは殺して食べるのだから、

発生してしまった情と自分との間で折り合いをつけなければなりません。

生き物を手にかけて殺す過程で、人はいろいろなことを考えます。

「かわいいな」

「これ以上懐かないようにしよう」

「かわいそうだな」

「殺すときは手早く処理しよう」

「おなかすいているだろうな」

「エサを与えたがこれは痩せてきて見栄えがしないからだ。かわいそうだからじゃない」

「殺さないで!って言ってる!」

「あれは苦しいから暴れているのではない。押さえつけられたからその反動だ。」

「包丁を動かすたびにビクビク動いている!」

「身を切るときに動くのは電気刺激による筋肉の反射だ。痛いからではない」

などです。

自然発生してしまった情を消すために、

たくさん考えて、自分で納得して殺します。

食育はそのための訓練でなければいけないと思っています。

今回の「100日後に食われるブタ」の場合、

初めから終わりまで情が移った描写は全くなく、

「愛情を注いでいるポーズ」を淡々とVlog調で撮影し、

予定通り100日後に殺して食べました。

これは食育ではないと思います。

これはペットを食い殺す動画であり、

「こうすればおもしろいでしょ?」

「バズれ、バズれ」

と命をもてあそぶ作者による狂気な悪趣味だと思いました。

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どうすればよかったのか

100日後に食われるブタ【日本一伸びてる豚です】

後悔しているかのようなツイートをした作者。

ではどうすればよかったのか。

「100日後に食われるブタ」 を撮影する過程で情が移ってしまい、殺せなくなったので101日後も飼います!

これしかなかったのではないかと思います。

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まとめ

【閲覧注意】210万回再生された100日目に食われるブタ【100日目】

この物語はフィクションです

直感で気持ち悪いと感じ、

食育コンテンツなのか考えた結果、

食育ではなくバズることを期待して、

悪魔の辞典で言うところの「奇行」に及んだと結論しました。

ぜひフィクションであってほしいです。

最後に何の関係もありませんがこの話を没交渉気味な父に話したところ、

「昔は軒ににわとり吊ってたんだぞ!すごい声で鳴いてた!」

と楽しそうに教えてくれました。

作者の方、話題を提供して下さってありがとうございました。

いじょうです。

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追記

ハコフグの写真は

kimtoruさん

ときいろはさん

です。

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