Kitsume no Yabai Episode 2

あたおか

登場人物

ヌカタ・スミジロウ

スノー星に降り立った地球人。家族を殺した犯人を捜す旅に出た。最近サトウキビの食べ過ぎで痛風になったため、速く走れない。

スノ子

スノー人の女でスミジロウの愛人。狂犬病に罹患しているため発作で戦闘力があがる。人に噛みつくため常にサトウキビを咥えている。

保健所の人

最近殺処分予定の実験動物を市場におろしたり自分で食べたりしていることが発覚した元・心優しい保健所の職員。

おテンテン

スミジロウの下腹部に住む男性の象徴。スミジロウが臆病風に吹かれると下腹部から離脱し、性転換の原因となる。

あらすじ

備長炭ウーバーイーツでの蓄えがあるとはいえ、今後の生活のことを考えるとなにかで稼がなくてはなりません。そこでスミジロウは人類最古の職業、泥棒で生計をたてることを思いつき、里に繰り出していきました。

「待て!このどろぼう!」

「うるせえ!くらえ人間の呼吸 壱の型!バチーン!ボコ!」

「いてえ!」

「このサトウキビはいただいていくぜ」

手首が粉砕骨折したスノー人男性。

「人間の呼吸」とはスミジロウが10年間の潜伏生活で編み出した対スノー人用戦闘術です。これを食らうとスノー人は手首の骨が粉々になってしまうのでした。

人様のサトウキビを首尾よく強奪したスミジロウは潜伏先のほら穴に帰ると、スノ子がサトウキビを咥えながらもごもご何か言っています。

「もごもご(おかえり。何盗ってきたの?)」

「ねえスノ子、お前も人類最古の職業やらない?売春っていうんだけど」

「もごもご(やらない)」

「そっか、なら仕方ないね」

スミジロウはそう言うと嫌がるスノ子をウーバーのかごに押し込み、つぶれないように丁寧に梱包しました。

「売春しないなら、人間ウーバーイーツの刑に処す」

「もごもご(やめて!食べられたくない)」

スミジロウはスノ子が入ったかごをひょいとかついで町に向かいました。現状そこまでお金に困っているわけではありませんでしたが、スノ子が売春して稼がないなら、売って金にしてしまおうと考えたからです。

「こんばんはー。ウーバーイーツです」

「いらっしゃい・・・ちょうどデザートが欲しかったんだよ」

「もごもご(キャーッ!!人殺しー!!)」

お客さんはなんとついこの間スノ子を助けてくれた保健所の人でした。助けてもらった人に食べられてしまうとはなんたる運命のいたずらでしょう。皮肉なものです。

保健所の人は食事中で、3、4人の死体が明かりの向こうにあるのがわかります。人を助けたり人を食べたりと、かなりムラのある性格なのでした。

スミジロウが帰ろうとしたその時、保健所の人はスミジロウに飛びかかってきました。

「ギャーッ!!ちがう!!俺じゃない!!俺は食べられないぞ!!」

「うっせえ!ウーバーイーツは高すぎるんだよ。お前も食ってやる!」

備長炭で鍛えたスミジロウをも上回る怪力で保健所の職員は組み伏せてきました。スミジロウ万事休す。両手が封じられては人間の呼吸も使えません。首筋が噛まれそうになったその時!

「もごもご(隙あり!)」

ドオン!!

スノ子による全盛期のロベルト・カルロスと同じ威力の蹴りが保健所の人の側頭部に炸裂し、頭がちぎれて飛んで行ってしまいました。

やべえよ・・・

「(なんだよ・・・話がちげえじゃねえかよ・・・なんだこのグロ展開・・・)」

ドン引きするスミジロウ。

「もごもご(勘違いするな。奴を倒す絶好のチャンスだったというだけだ。)」

狂犬病の発作により口調が変わるスノ子。

持ち方危ない。指が落ちちゃう

「もごもご(まだ生きてるよ。とどめ刺しなよ)」

スノ子は冷静に言いました。狂犬病で凶暴な一面が出たとはいえ、口の中はサトウキビの甘いフレーバーで満たされているため、すぐ冷静さを取り戻せるのです。スノ子の言う通り保健所の人は頭が取れてしまったもののまだかすかに生きていました。しかし殺人未経験ですっかりビビってしまったスミジロウは震えるばかりでした。

おテンテン

「そんなに怖えのか玉無し野郎。ウェアーズ・ユア・ボールズ?おテンテンはもういらねえんじゃないか?うん、いらねえな」

「誰だ・・・?」

スミジロウが振り返ると、そこにはスミジロウのおテンテンが立っていました。おテンテンは全て見ていました。スノ子の方が勇敢だったこと、もともとはスミジロウがスノ子を食料として売ろうとしたくせに、いざ命のやり取りとなったらおじけづいたこと・・・。

おテンテンは持ち主に別れを告げ、走りだしました。

さらば!

「まってくれ!おテンテン!お前がいないと俺は排尿出来ないんだ!くそ、痛風で足が痛くて速く走れない・・・」

「さらばだ・・・今日からお前はおなごじゃ・・・!」

スミジロウの願いも虚しくおテンテンは闇に消えていきました。かくしてスミジロウは外科手術を受けることなく性転換し、女性になりました。この先スミジロウは人類最古の職業である泥棒と売春の二足のわらじで生きてゆくのです。

保健所の人が住んでいた家が空き家になったのでそこで暮らすことになったスミジロウとスノ子。疲れて寝ているスノ子におテンテンは優しく語りかけました。

「スノ子・・・お前のロべカル並みの蹴り、見事じゃったぞ・・・!これからはお前に寄生することにしよう」

スノ子は外科手術なしで性転換し、男性になりました。目が覚めたら排尿が楽になった生活が待っています。

吹雪の中にたたずむ団体職員。彼は一体誰なのか。第三話につづく。

めでたしめでたし。

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