毎日歩くと宣言してしまったので、
昨日に引き続きおもむろに外に出た。
朝7時、非常に眠かった。
正直、歩けるような気分では全くなかった。
半分薄目で歩きだした。
昨日の時点で足は真っ赤になっていたが、
今日は特に靴ずれした部分は紫色だった。
なんかもうすでにクライマックスの疲労感だった。
まだ0kmしか歩いていないのに、
一歩一歩足がズキズキする。
こんな状態で20kmも歩けるわけない。
私は座り込んだ。
座って気が付いた。
立てない。
もう立てないという気持ちで胸がいっぱいになった。
足に力が入らない。
座るって気持ちいいな。
毎日パソコンしかしてなかった時は、
“Sitting kills you“の教えに従って適度にウロチョロしていたが、
今は違う。
何がSitting kills youだ。
むしろSitting is 神だ。
座れる喜びをかみしめる。
歩くのヤダなと思いながらずっと座っていたら、
ハエがたかってきた。
ついにバレてしまったか。
私が人間の形をしたウンコだということに。
何を？
失礼だ！
人をウンコ扱いするなんて、
失礼なのでは？
それにしてもマジでハエがたかってんな。
私は本当にウンコなのか？
学生時代ちょっと太ってた頃、
アリにたかられたことがある。
その時みんなから、
「お前は糖尿病なんだよ！ドワハハハ！」
と馬鹿にされたことを思い出して悲しくなった。
ひどいよ・・・。
私が何をしたと言うんだ。
ひとりでいるといろいろ余計なことを考えてしまう。
私はふと足元を見た。
足元に豆が落ちていた。
なんだこの豆は？
お前さては腐ってるな？
腐ったシワシワの豆のせいでハエにたかられていたんだ。
豆め！
お前は糖尿病の豆だ！
そして私はウンコじゃないぞ。
断じてウンコではないし、
腐ってもない。
糖尿病でもない。
あー良かった。
この豆のせいだったんだね。
ハエがたかってきたのは。
しかしこの買ったばかりのきれいな靴の中の足は、
明日には腐っているかもしれない。
なんで買ったばかりの靴で20kmも歩いたんだろう。
何もしていなくても靴ずれが痛い。
靴擦れ防止の包帯とばんそうこうでパンパンだ。
そろそろ歩きださねばならない。
ケツが冷たくなってきた。
知らない町へ侵入
しばらく歩くと細く不気味なトンネルがあった。
全く来たことのない場所だった。
三途の川を渡るような気分でおそるおそるトンネルを抜けると、
三途の川の入り口にいる小鬼みたいなババアがいた。
車道にはみ出すようにたくさん置かれた植木鉢をいじりながら、
こっちを見ている。
歩道にならまだしも、
車道に植木鉢を置いてる奴は初めて見た。
こんなことをする奴は人間じゃない。
どうやら地獄に来てしまったようだ。
謎の鳥居
謎の地域の謎の空き地に、
謎の鳥居があった。
なんだこれは。
気持ちわりいなあ。
その隙間の奥はどうなっているんだ。
神様がいるってこと？
謎の風習こわい。
写真だけ撮ってすぐ離れた。
誰かに見られてるかもしれない。
あまり滞在したくない場所だ。
滅びの町のガチャガチャ
少し歩くとボロボロのガチャガチャがあった。
商品の内容は意外にもそこまで古くない。
ということはこの町は最近急に滅んだのだろう。
ケースの中は商品がまだ残ってるから、
ひょっとしてお金を入れたら出てくるのだろうか。
でもそれは試さなかった。
以前別の滅びの町のきったねえ自販機に100円を入れたら、
何も出てこなかったことがあったからだ。
100円も戻ってこなかった。
あの時なぜか一人で激しく怒っていたなあ。
100円ごときでこんなにも怒り悲しむ自分に驚いたものだ。
ガチャガチャの内部は、初めて見た。
スパイクヘルメットみたいになっているんだね。
ラブホだらけの町
滅びの町を抜けるとラブホだらけの町についた。
全部ラブホかと思ったら違っていて、
黒い一軒家がスイミーみたいになっている異常な場所があった。
その一軒家だけ普通の家だが、
両隣と向かいがラブホなのだ。
ホテルに囲まれているから当然日当たりは悪い。
日本にこんな場所があるなんて。
非常に怖い思いをした。
謎のスローガン
不要不急の外出は控えましょう、じゃねえんだよ。
ここだけ2020年なの？
そして地域の童（わらし）が写ってしまった。
ごめん、童。
さっきまでいなかったじゃん。
どこから出てきたの？童。
こっちみないで。
藤棚
某宗教施設の敷地内の藤棚、きれいすぎた。
今日は雨の予報だったのに、
途中から非常に晴れてきて、
暑くて大変だった。
藤棚の下は涼しかった。
座って少し休んだ。
7-11で買ったツナマヨおにぎりとジャスミン茶を胃に入れた。
疲れた。
もう10km以上は歩いていた。
帰ろう。
まとめ
今日も結局5時間かけて14kmぐらい歩いた。
足内会議で足細胞たちが
「最近の宿主、やべーぞ！」
と口々に言っている。
しかしながら足首部分ともも裏部分の細胞は何も言わなかった。
そう、彼らは犠牲になったのだ。
もし足が腐ってなけりゃ、
明日も包帯をぐるぐる巻きにして歩くぞ！
いじょうです。
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