毎日20km歩くと宣言したものの、つらすぎた。
足が爆発し4日目で発狂したのだ。
そこで私はルールを変更することにした。
5時間かけて20km歩くのではなく、
2.5時間縄跳びをして、
2.5時間懸垂すればいい。
これなら足を温存できる。
というわけで朝早く私は鉄棒のところに来た。
冷たい。
朝の鉄棒は冷たかった。
一瞬で凍えた。
しかし朝しか鉄棒をする時間はなかった。
夜はリーマンで行列ができる人気の鉄棒なのだ。
そしてもちろん昼は童(わっぱ)どもが湧く。
やるなら今しかない。
頑張って懸垂をしようと思ったが、
冷たすぎて握れなかった。
こんなところに2.5時間もいたら凍死してしまう。
まるで冬のマッキンリーだ。
私は懸垂を諦めた。
あろうことか縄跳びの縄も忘れたので、
私はいつもの散歩コースをトボトボと歩き出した。
この散歩道にはよくみるとレアな植物がたくさん生えている。
特にこのくるくるとした奴に私はシンパシーを感じて愛でていた。
私の髪の毛もくるくるしている。
このシダ植物もくるくるしている。
かわいいなあ。
これはゼンマイだな。
山菜のゼンマイがこの都会の地面にも生えているんだね。
明日もまたゼンマイに会いにこよう。
そんなことを思いながらまた歩き出す。
ふと今さっきいた場所を振り返ると、
ゼンマイだけをブチブチと抜いてガメているババアがいた。
すぐそばでジジイが周囲を見張っている。
こいつらには人の心がないのか?
私のささやかな楽しみが蹂躙されてゆく。
この世にはつくづく悪魔が多いと思った。
いじょうです。
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