新しい仕事を始めた私。
6月からだから、もう丸2か月経つ。
3か月目ともなると、仕事に慣れてきたなぁと思えることが増えてきた。
例えば「バリカン」だ。
仕事柄、2週間に一度頭を丸坊主にしている。
初めの頃は、どうしても後頭部に剃り残しができてしまい、
「あらあらヤマッシさん?みっともないですわよ?」
と先輩社員から注意されていた。
今では綺麗に剃りあげることができる。
今日も綺麗にできた。
手早くできたため、もう少しバリカンで何かを刈りたくなった。
私はバリカンを脇にあてた。
脇毛がなくなった。
小学生ぶりに脇毛の無い脇をみて心が躍った。
私はバリカンを乳首にあてた。
チク毛がなくなった。
小学生ぶりにチク毛の無い乳首をみて心が躍った。
私はバリカンをギャランドゥにあてた。
ギャランドゥがなくなった。
小学生ぶりにギャランドゥの無い腹をみて心が躍った。
私はバリカンを陰毛にあてた。
陰毛がなくなった。
小学生ぶりに陰毛の無いペニをみて心が躍った。
そして私はバリカンをキンタマの髪にあてた。
キンタマの髪がなくなった。
小学生ぶりにキンタマの髪の無いキンタマをみて心が躍った。
私はもう一度キンタマをよくみた。
キンタマにはまだ若干毛が生えている。
しかしキンタマの肉はリアス式海岸のように複雑に入り組んでいてバリカンは当てられない。
しかし私はバリカンをキンタマにあてた。
グニッ!!
痛い!!
バリカンがキンタマを噛みやがった!!
ヒリヒリする!!
血がにじんできた。
キンタマのしわを伸ばした。
サメの歯みたいな点線の傷口から血がしたたる。
「ザ・コーヴみたいだな」と思った。
ザ・コーヴは和歌山県太地町のイルカ漁のドキュメンタリー映画だ。
私の中で血まみれのイルカとキンタマが重なって見えた。
なんでやっちゃったんだろうか。
やる前にキンタマは入り組んでいるってわかっていたのに。
私ってそういうところあるよなぁ。
そもそも頭の髪に使う道具をキンタマの髪に使うのが馬鹿だ。汚すぎる。
どうにかして傷口を舐めたかった。
流血したら傷を舐めるのは当たり前だ。
しかし限界まで体を丸めたが、体が硬すぎて無理だった。
キンタマを舐めるために全裸で丸くなる私は惨めだった。
ヒリヒリするキンタマをかばいながら服を着て、思った。
「社会が悪い」
私は社会への復讐を決意したのだった。
おしまい。
追記
キンタマはその後私の意志とは関係なく北寄貝みたいにグニグニと収縮し、
一時間ぐらいで血が止まりました。
キンタマの毛をバリカンで刈ってはいけません。
いじょうです。
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