今日もたくさん歩いてしまった。
13000歩。
本当は今日はお休みしたかった。
でも体が勝手に動いてしまっている。
前世は歩兵と言っても過言ではないのではなかろうか。
誰もいない家に帰ってきた。
静かだ。
駅で取ってきたタウンワークを厳かに机に置いた。
タウンワークの重みに幸せを感じる。
分厚いタウンワークはいいタウンワーク。
薄いタウンワークは悪いタウンワーク。
おっと、今はそんなことはどうでもいい。
便意便意。
一万歩を越えたあたりでのっぴきならなくなっていた排せつ欲を早く解放せねば。
トイレでちゃんとできて偉いね。
馬鹿言ってんじゃないよ。
大人になってから一滴残らず全部漏らしたのは、
あの一度きりだけさ。
すっきりした私は思わず
「快便マン!」と叫んだ。
脱力した声は倍音が揃っていたらしく、
キッチンの調理器具たちがフィン!と共鳴した。
調理器具たちも私の快便を祝福してくれている。
・・・
なんて静かなんだ。
でも私は一人じゃない。
一人じゃないんだ。
部屋の窓には大粒の雨がしきりにふきつけていた。
おわり。
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